看護師のための電子カルテナビ

電子カルテシステム

電子カルテシステムとは、診療録を電子化して記録したもののことです。
実際のカルテに記載される内容は広範囲に渡ります。

 

電子カルテに記載される内容
  1. 保険診療用2号紙用紙に掲げられている患者情報。

    (患者氏名・生年月日・住所など)

  2. 検査などの報告書。
  3. 画像や波形、図形などのデータ。
  4. 紹介状。
  5. 指示書や説明書、同意書。
  6. 看護記録や手術記録。

このような内容の記録の電子化を目的としたものを
電子カルテシステムと呼ぶ事もありますが、
多くは、病院内の薬局や検査室などの各部門への依頼情報を通信によって伝達したり、
各部門で実施された検査や処方の出力を配信表示するオーダリングシステム、
このオーダリングシステムにより発生した依頼や結果を医事会計システムに通信伝達する連携システムなど
すべてを含めて「電子カルテシステム」と呼ぶ場合もあります。

 

また、診療現場で使用する材料や薬品の在庫管理や発注を行う物品管理システム、
集積されるう経営資源情報から適切な経営判断を引き出し意思決定の支援を行う経営管理システムなども包括し、
「病院情報システム」と呼ばれる事もあります。

 

様々な部門の連携や情報の利用は、各医療機関によって、
それぞれの形態や利用方法があります。

 

つまり、電子カルテシステムの活用法は、医療機関ごとに異なっているのが普通で、
休職から復帰した看護師や、転職した看護師が戸惑う事もあります。

 

このため、電子カルテの各メーカーなどでは、
「保健福祉医療情報システム工業会(JAHIS)」を構成し、
おおまかな電子カルテの段階として5段階を分類定義していますし、
「日本医療情報学会」でも、電子カルテの定義に関する見解を発表し、
通常のカルテとペーパーレス電子カルテに分けた記載をしています。

JAHIS(保健福祉医療情報システム工業会)による電子カルテの分類定義

レベル1
部門内において電子化された患者情報を扱います。

 

病院内全体の情報共有に備え、
検査部門や放射線部門など病院内の部門における患者情報を電子化し、
部門内で情報の共有化を行います。

 

主なシステムは、検査情報システム、放射線情報システム(RIS)、画像情報処理システム(PACS)です。

レベル2
部門間を跨る電子化された患者情報を扱います。

 

病院内全体の情報共有に備え、
部門システムで電子された情報とオーダエントリーシステムなど
病院内の複数部門で伝達される患者情報を電子化し、
複数部門における情報の共有を行います。

 

主なシステムは、オーダエントリーシステム(オーダリングシステム)、HIS-PACSです。

レベル3
一医療機関内のほとんどの患者情報を扱います。

 

外来や病棟などの診療部門において発生する患者さんの主訴や症状、
治療計画などの情報を電子化し、
病院内全体で情報の共有を行います。

 

主なシステムは、総合患者情報システムです。

レベル4
複数の医療機関を跨る患者情報を扱います。

 

患者情報を複数の医療機関で相互に利用することができるような形態で電子化し、
複数の医療機関における情報の共有を行います。

 

主なシステムは、地域医療ネットワークシステム、患者情報交換システムです。

レベル5
医療情報のみならず保健福祉情報も扱います。

 

医療情報のみならず保健福祉情報を電子化し、
医療機関や保健福祉機関において情報の共有を行います。

 

主なシステムは、生涯健康情報管理システムです。

電子カルテの定義

通常の電子カルテ(Bottom-line)の定義
  1. すべての業種目はカバーしなくても、多くの業種についてオーダ通信システム及びオーダ結果参照システムが稼動し、それぞれの業種についての診療録情報の基本となっていること。
  2. 診療録を構成するすべての情報種はカバーしませんが、多くの業種について同時に多箇所で迅速に、十分に古いものを参照できること。

    また、それらの情報は時系列、特手の科のもの、特定の診療部門のもの、パスウェイ形式など様々な軸で展開参照することが可能であること。

  3. データの将来機種更新後の新システムへの移行や不特定の他医療施設との情報連携のために、できるだけHL7、DICOMなどの標準的なデータ形式、コードをしようしていること。
  4. 画面を直接参照し、或いは画面を利用して、患者への情報提供が紙によるものより格段に改善していること。
  5. 運用は、プライバシー保護が確保されること。

    紙やフィルムなどの従来媒体による原本保存を行わない情報種に関しては、真正性の確保・見読性の確保・保存性の確保という電子保存の3条件を満足する運用であること。

ペーパーレス電子カルテの定義
  1. すべての業種目についてオーダ通信システム及びオーダ結果参照システムが稼動し、それぞれの業種についての診療録情報の基本になっていること。
  2. 診療録を構成するすべての情報種が電子的に扱われ、同時に多箇所で迅速に、十分に古いものも参照できること。

    また、それらの情報は時系列、特手の科のもの、特定の診療部門のもの、パスウェイ形式など様々な軸で展開参照することが可能であること。

  3. データの将来機種更新後の新システムへの移行や不特定の他医療施設との情報連携のために、できるだけHL7、DICOMなどの標準的なデータ形式、コードをしようしていること。
  4. 画面を直接参照し、或いは画面を利用して、患者への情報提供が紙によるものより格段に改善していること。
  5. 運用は、プライバシー保護が確保されること。

    紙やフィルムなどの従来媒体による原本保存を行わない情報種に関しては、真正性の確保・見読性の確保・保存性の確保という電子保存の3条件を満足する運用であること。

 

実際には、通常の電子カルテとペーパーレス電子カルテの二つの中間に、
様々な電子化達成度の電子カルテが存在します。

 

そして、現在、電子カルテの必要要件ではありませんが、
積極的に今後拡充されていくことが望ましい機能が2つあります。

 

  1. 物流管理
  2. データの事後利用

 

 

@の物流管理機能は、現状で必須とするためには、
ハードソフトもかなりのものを要するため、
今は電子カルテの必須要件とはされていません。
グランドデザインにおいても電子カルテとは別のものとして扱われています。

 

Aのデータの事後利用機能は、現状で必須とするためには、
用語やコードなどの標準化が十分でないため、
今は電子カルテの必須要件とはされていません。
ただし、薬剤名や臨床検査名、病名など、標準化が進んだ部分では積極的に行うべきであるといわれています。

 

また、電子カルテの院内運用や、データの安全性、プライバシー保護に対する対応については、
常時、技術的水準の進歩に併せた対応がとられるべきであるとされています。


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