看護師のための電子カルテナビ

看護部門での電子カルテ処理方法

看護部門での電子カルテ処理方法をとある病院で使用されている電子カルテを例に、
看護部門での電子カルテ処理方法をみていきたいと思います。

看護管理者

業務内容によって様々な違いはありますが、大まかな流れをみてみます。

 

電子カルテは、多くの情報が蓄積されています。
看護管理者は、実際に患者情報を入力することが少なく、
画面の操作をする事も少ないので、必要な情報にたどり着くまで、その操作が大変だと感じる事も多くあるかもしれません。
ですが、操作に慣れることにより、便利に使うことが出来るようになるはずです。
電子カルテの運用上の問題を把握しにくいとう事もあるかもしれませんが、
患者情報を有効に利用するために、操作に習熟できるよう、
電子化された情報の扱いに慣れていきたいものです。

 

(1) まず、患者マップで現在の入室状況を確認します。
入院予定がある場合は、当日、患者マップの右上のウインドウに、患者名が表示されるようになっています。

また、退院する予定の患者さんの名前も表示されます。

 

入院する予定のある患者さんが、病棟や外来待合室で待機している状態である場合も、
画面を見ればすぐに分るように、ウインドウが色分けされています。
たとえば、患者さんが入院するベッドが確定すると
名前の帯の部分の色が変わり、「ベッドが確定した」と分るようになっています。

 

看護管理者が、朝まず確認するのは、前日の入退院状況なので、
病棟管理のメニューから管理日誌メニューに切り替え、
さらに、担当の病棟を選択して日付を前日に戻します。
このようにして画面を「病棟管理日誌」にして前日の入退院情報を確認します。

(2) 「病棟管理日誌」は、「患者数・移動情報等」と「看護勤務者情報等」の2画面から成り立っています。
「患者数・移動情報等」

 

患者数や移動、入退院、看護度、護送、担送、入院している患者さんの科別の数などが上段で確認できます。
入院数は患者さんの入院手続きと共に連動します。
ですから、増減に誤りはありません。
ですが、護送数や看護度などは別に入力をする必要があります。
看護管理者は、入力に間違いがないかどうかを確認します。

 

患者さんが外泊をした場合ですが、
実際に帰院していても、帰院実施を示さなければ管理日誌上には反映されません。

 

重症・要注意の患者さんの場合は、容態によって情報が入力されているので注意して確認します。

 

看護度や重症度は、「状態一括登録」で入力され、
重症患者さんの記事の入力は「病棟記録日誌内」で入力されるので注意して確認します。

 

「本日の入院状況」の確認は、
既に入院予約が決定している患者さんの名前を患者マップ上で確認します。

 

退院の患者さんの情報は、
申し込まれた段階でマップ上に掲載されません。
ですから「ベッドコントロール」での確認を行うことが必要です。
「ベッドコントロール」では、数日先の入退院の予定を確認することができます。

 

「ベッドコントロール」上で何らかの問題が発生することがあります。
たとえば、夜間入院で他科の患者さんが入院してきたり、
入力漏れなどのミスによる空床情報が混乱するなどの問題が発生します。
このように問題が発生した場合は、
病棟管理センターに相談するなどして、空床情報を確認することができるようなシステムつくりが必要で、
いつでもベッドの空き状況が分るようにしておくことが大切です。

 

「看護勤務者情報の確認」

 

看護勤務者情報は、「ナーススケジューラ」という画面で管理されています。
勤務表管理ソフト「ナーススケジューラ」では、
管理事項、会議、看護学生の状況の入力も可能になっています。

 

管理事項については、患者さんや職員のできごとを記録することで、
病棟での動向を看護部で把握することができます。

 

入力ミス、入力漏れがないように入力をすることをスタッフに徹底し、
漏れのないチェックができるような運営が必要です。

(3) 患者さんのもとでパソコンを使うこともあります。
患者さんの情報確認は、画面展開が必要です。

以前の紙のカルテのように誰かが使用していると、
その使用が終わるまでカルテを見ることができないという不便さは、
電子カルテでは解消されています。
つまり、電子カルテでは、同時に複数の人が患者情報を見ることができます。

 

看護管理者は、その日の情報収集が終了したら、
患者さんのもとへいきます。
ノートパソコンを持参して行っても良いのですが、
日中は看護スタッフがノートパソコンを使用しながらラウンドをしているので、
持参できないこともあります。

 

ですが、ノートパソコンを持参したほうが、
患者さんからの要求をすべてメモしたりする手間が省け、
その場で入力することができるので便利です。
システムの掲示板機能を利用し、
担当看護師個人だけでなく、他の看護スタッフにも瞬時に患者さんの要求を伝達することができます。

 

また、医師の指示もすぐに確認することができるので、
患者さんを待たせることなく業務を遂行することができます。

 

このため、ノートパソコンの台数を考慮する必要がありますが、
台数に制限がある場合は、ラウンドする時間を工夫するなどして、
ノートパソコンをなるべく効率よく使用できるようにします。

(4) 管理日誌の確認作業の終了
看護管理者は、病棟管理日誌の入力確認が終了したら、

看護師長確認欄にチェックを入れます。

 

総看護師長の確認を得て、管理日誌の確認作業は終了になります。

(5) 一日の最後には、当日の管理日誌を確認する作業もあります。
当日の管理日誌の確認では、当日の日誌を開いて本日の入退院を確認し、

患者状態入力のチェックを行います。

 

入力が間違っていたり、入力ができていない時には、
「患者状態一括」に戻って再入力をしていきます。

 

スタッフが入力する項目に対して、間違いがないかどうかを確認します。

 

本日の会議や特記事項についても管理事項に入力します。

 

これらの情報は、当直の看護師長が必要とするので、当直開始までに入力を終えることが必要です。

(6) 看護サマリーの承認をします。
看護支援の中にある「看護サマリー承認」を開いてサマリーの選択をし、

承認するか、却下するかの選択をします。

 

サマリーについては、看護サマリーがいくつでも作成することができ、
転棟後に退院した場合に時間経過が長いとサマリーの有無が分りにくいことなど、
デメリットがありますが、
運用規定などで業務の段取りをしっかり決めておくことで
デメリットの部分は解消できます。

看護スタッフ(看護メンバー)

(1) 患者情報の確認をします。
患者マップで、受け待ち患者の情報を確認します。

 

この際、確認する情報とは「看護計画」、「看護記録」、「経過表」、「医師の記録」などです。

 

このような情報が確認できることにより、
申し送りは必要最低限とすることができるようになっています。

 

受け持ち患者さんのスケジュールについては、
一人ひとり確認することができますが、
必要な画面が開くまで時間がかかります。
ですから、一度に複数の患者さんのスケジュールを確認することができるような方法をとっています。

(2) 患者情報を入力します。
「看護病棟患者一覧」から、経過表を開くことが可能です。

検温などはこのモードで実施します。

 

ノートパソコンを病室に持ち運び、
ベッドサイドでのバイタルサイン入力をすることを奨励している病院がほとんどです。

 

経過表には、バイタルサインだけでなく、観察項目も同時に入力することができるので、
診療時間を短縮することができます。

 

「患者スケジュール表」には、患者さんに対する当日の実施内容が記載されています。
この患者スケジュール表を確認することによって、
漏れがなくケアすることができ、
医師の指示内容も実施することができるようになります。

 

「患者スケジュール表」では、
時系列と指示別を選択することができるようになっていますので、
各スタッフが確認しやすい方法をえらぶことができます。

 

電子カルテ上では、実施したことを「患者スケジュール表」或いは「経過表」のどちらかから入力することができます。
しかし、すべての処置や看護の実施が入力できるわけではありません。
必要な処置や看護ケアなどの項目を、
計画的に入力することが必要ですし、
実施を登録することによって医事部門へのコスト請求が届きます。
ですから、医師・看護師・事務がどのように入力をしていくかの話し合いを重ねることが重要になります。

 

入院予定がある場合は、患者プロフィールから看護計画を作成します。
・看護診断を取り入れ、ラベルごとに選択可能な標準計画が導入されます。
・看護計画によって看護指示を出す事もでき、別途看護指示から直接指示する事もできます。

 

「看護記録」は「SOAP&フォーカス画面」から入力します。
・SOAP、フォーカスチャーティングのどちらを主体に使用していくかなど、
必要に応じて記録委員会などで話し合い決定をします。
SOAPの項目があることにより、
紙カルテではSOのみになりがちであった記録に
アセスメントが記載できるようになりました。

 

評価忘れに関しても、以前は評価日を抜けないように工夫をする必要がありましたが、
スケジュール上に評価日が現れるようになっているので、
以前に比べると評価忘れがない様になっています。
しかし、実施内容はこの部分で確認することはできないため、見落とされる事もあります。

 

このように、電子カルテでは、様々な工夫ができ、業務の時間短縮が可能になりました。
しかし、電子カルテでは検索して情報を導き出す必要があることや、
表示スペースが限られている点が不便だと感じる事もあります。


キャピタルゲイン