看護師のための電子カルテナビ

行政の動向にみる医療情報化の流れ

情報社会は、情報技術の進歩により急速に変化しつつあります。
また、少子高齢化を迎える中、行政側からも矢継ぎ早に医療改革の指針が出されている現状があり、
近年急速に加速する医療分野におけるIT化の流れも、
行政側の規制緩和と誘導による部分が大きいと思われます。

e-Japan戦略

2000年、政府IT戦略本部が「e-Japan戦略」を策定し、
これにより医療におけるIT化の指針が示され、医療の情報化は国策として推進されることになりました。

 

2001年11月の「e-Japan重点計画」では、
医療関係分野の工程表が、
「e-Japan2002プログラムの加速・前倒し」として示されました。

 

そして、2001年12月には、
「保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン」と、
それに付随する「情報化に向けてのアクションプラン」が厚生労働省から発表され、
さらに2003年8月には、
「e-Japan重点計画2003」が発表され、
「医療」は、その「先導的取り組みにおけるIT利活用の推進」のトップに取り上げられました。

 

2004年6月には、「e-Japan重点計画2004」が発表され、
「電子カルテ普及の促進」や「診療情報の電子化の促進などによって医療の質と向上を図る」ことが目的として上げられています。
この際の「電子カルテ普及の促進」は、
2004年度までに全国の二次的医療圏の中核的な病院、
2006年度までに400床以上の病院及び全診療所の6割以上の電子カルテ導入が目的とされています。
(しかし、現状は、そこに至るまでの普及は実現していません)

 

「e-Japan重点計画2004」の具体策として掲げられているのは以下のような事柄です。
@ 電子カルテの用語やコードの標準化の推進、異なるメーカーによる開発導入された電子カルテシステムであっても相互運用が可能となる環境の構築。
A 診療情報の電子化など、医療分野でのIT利用促進。
B 医療情報化に関わる人材育成

 

 

政府の「e-Japan戦略」やそれを受けて作成された提言は、
残念ながらスケジュールどおりに達成しているとは言えません。

 

ですが、現在進行しつつある医療の情報化の基本的枠組みでもある「グランドデザイン」と、
それを実行するための「アクションプラン」は、
将来に渡る広範囲な保健医療のIT化の方向性を示すものとして
とても重要なものであると考えられ、捉えられています。

保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン

政府の「e-Japan戦略」やそれを受けて作成された提言の
基本的枠組みでもある「グランドデザイン」と、
それを実行するための「アクションプラン」は、
今後のIT化の方向性を示すものとしてとても重要なものと捉えるべきです。

 

そして、この提言の中の、
厚生労働省が「医療制度改革試案少子高齢化社会に対応した医療制度の構築」の、
別添「21世紀の医療提供の姿」において、
今後の日本の医療の目指すべき姿と当面進めるべき施策が提示されています。

 

「21世紀の医療提供の姿」で提示されている事柄は、
適切な情報提供のもと、患者さんが自ら医療機関や治療方針などを選択するなど、
医療に自覚と責任を持って参画することを21世紀の日本の医療が目指すべき姿とし、
患者さんによる選択を通じて、医療の質の向上と効率化・重点化が図られるという考えをお基本とし、
以下のように要約されています。

 

@ 患者さんの選択の尊重をすること、情報提供を可能とすること。
A 質の高い効率的な医療提供体制を構築すること。
B 国民の安心のための基盤を構築すること。

 

このような医療の姿を実現させるためには、
公正で客観的な情報が提供されることが必要不可欠であり、大前提となります。
そのための医療の情報化が必要で、
その基盤として情報基盤や情報化に向けてのインフラの整備が必要です。

 

そしてその実現には、産業界や医療界が共通の問題意識を持って
医療の情報化を戦略的に推進することが重要です。


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