看護師のための電子カルテナビ

診療録電子化への経過

医療分野の情報化に向けて本格的に動き出したのは、比較的最近のことです。

 

診療記録に関しては医師法第24条などの諸法が紙記録を前提としたものであることかr、
情報システム化の進展に関わらず紙の診療録への記録が必要とされ、
これまでのオーダリングシステムの運用に見られるように
入力と記載の二重の手間が発生するなど、診療録電子化の妨げとなっていました。
このような中、1994年3月、
厚生省健康政策局通知「エックス線写真等の光磁気ディスク等への保存について」では、
法令によって保存義務が規定されているエックス線写真などについて、
一定の技術的基準に適合している画像関連機器を用いる場合には、
フィルムに代わって光磁気ディスクなどへ保存してもよいことになりました。

 

ですが、この時点では診療録そのものの電子媒体への保存については触れられていません。
1999年4月、規制緩和の一環として、
また、医療情報処理技術の著しい進歩に対応するため、
厚生省から「診療録等の電子媒体による保存について」が通知され、
診療録をはじめとする保存の義務のある診療記録に対して、
電子媒体による保存が一定条件野本に容認されています。

 

電子媒体による保存を湯人する基準としては、
3つの条件と留意事項からなります。

 

患者さんのプライバシー保護に関しては
2005年4月に完全実施される個人情報保護法に関連してのことと考えられています。

 

* 電子媒体による保存を容認する基準

 

(3つの条件)
@ 保存義務のある情報の「真生性」が確保されていること。
A 保存義務のある情報の「見読性」が確保されていること。
B 保存義務のある情報の「保存性」が確保されていること。

 

(留意事項)
@ 運用管理規程の策定と実施。
A 証拠能力・証明力。
B 患者のプライバシー保護。

 

 

「診療録等の電子媒体による保存について」の通知の前から、いくつかの病院や診療所での先駆的取り組みが報告されていましたが、
この通知によって医事会計システムやオーダリングシステムを包合する形で、
紙の診療録を廃止し、ペーパーレス運用を目指した電子カルテシステム導入の試みが加速されるようになりました。

 

また、財団法人医療情報システム開発センターが提示する「運用管理規定(例)」が、
運用管理規定のガイドラインとして定められています。

 

* 運用管理規定で規定していること
@ システム管理者や運用責任者をおくこと。
A 監査責任者をおくこと。
B 電子保存システム管理委員会を設置すること。
C 電子保存する情報の範囲、システム管理者の責務、利用者の責務、システムの機能要件、機器の管理、
  記録媒体の管理、ソフトウェアの管理、ネットワークの管理、事故対策、マニュアルの整備、教育と訓練、監査などについて定める。

 

さらに、プライバシー保護・データ保護のための技術的担保(認証局や暗号化)を
地域的なネットワークを構築する際には、整備する必要があります。

 

このように、診療情報の電子媒体保存を実現する医療情報システムにおいて、
その運用管理を担う医療情報部門の設置が必要であると運用規定では考えられています。


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